本が好きで、作家になれたらいいなあ~とか思っている藍生(あをい)が、読んだ本についてや自作の小説について、だらだらと書き綴る日記です。 好きな本の趣味の合う方は、寄って行ってください!
 
 
 
 
 
 
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アクマのタンテイ、アクマなタンテイ-2
 
 
【2006/07/02 11:17】
 
 
 僕、掛金亮輔(かけがね・りょうすけ)と幼馴染みの御堂朱梨(みどう・あかり)との関係は、生まれたときから始まっている。同じ日、同じ病院で生まれ、さらに家は同じマンションの上下階―僕の家が501号室で朱梨の家が601号室―母親同士の仲が良く、公園デビューも一緒だった(らしい)。当然、校区が同じなので、小中学校は同じ、この辺りにロクな学校がないため、現在通っている高校も同じ。下手をすると兄弟なんかよりよっぽど濃い関係なのだ。
 「運命」なんて、つまらないことを言うのは、僕の趣味ではない。こんなのはただの「偶然」だ。「偶然」がいくら重なったところで、それを「運命」だと勘違いするほど、僕はおめでたくはない。
 「運命」とは、「予め決まっていること」。それなら、決めるのは一体誰だ?「神」か?
 それこそ、馬鹿馬鹿しい。これ程までに、宗教に対して無関心で、無節操な国にいながら、神を語るなんて、調子のいいこと甚だしい。ご都合主義的に登場させられる神は、小説の中の登場人物と大差ない存在に過ぎない。そんな、架空のキャラクターに、実在の人間の行く末が決められるものか。
 そんな風に、僕は考えていた。

 とはいえ、そんな僕らの関係を勝手に想像し、勝手に妬んでいる連中がいるのも確かなことだ。実際朱梨はとても魅力的な少女で、うちの高校ではダントツで人気ナンバーワンなのだ。狙っているヤツは数知れない。そんなヤツらにとって、僕の存在は極めて邪魔なのだろう。
 けれど、当の朱梨本人はそんなことは全く意に介していない様子で、現在彼氏もいないらしい。僕が知る限り、朱梨は今まで誰かと付き合ったことはないようだった。誰か好きなヤツでもいるのか、そもそもそういったことにあまり興味がないのか、17年傍にいたとはいえ、女の考えていることなんて男には永遠に分かるはずもない。
 実は僕のことが好きだから、なんてあまりに自分本位なことは考えていない。そもそもそんなはずはない。僕はこれまでに何人かと付き合ったことがあるが、そんな時でも朱梨はいたっていつも通りで、妬いているだとか、そんな雰囲気は全く感じられなかった。自分で言うのもどうかと思うが、僕はそういったことには敏感な方だ。相手が自分に恋愛感情を持っているかどうかは、すぐに感じ取ることができる。
 僕にとって朱梨は、この世の人間の誰よりも自分に近い存在、一緒にいるのが当たり前で、それ以上も以下もない、そういう存在で、おそらくは彼女にとっての僕も同じようなものだろう、と思うのだ。
 よく、「妹みたいに」「お兄ちゃんみたいに」思う、とかいう戯言があるが、それも僕らには当てはまらない。僕には弟が、朱梨には兄貴がいるが、例えば僕が弟に対して抱いている感情と朱梨に対するそれは、大きく違う。僕にとっての弟は、それこそ目に入れても痛くない、かわいくてかわいくて仕方がない存在だ。年が離れているせいと、今現在離れて暮らすことを余儀なくされているため、余計にそうなのかもしれない。

 10歳、小学校5年生の弟、大介は、素直でかわいい、今時珍しいほど純真な少年である。僕にもよく懐いていて、会いに行くといつも飛び掛らんばかりに抱きついてくる。両親の離婚という、子供の立場ではどうしようもない事情で引き離されてしまったが、そんなことで揺れる絆ではない。
ああ、そういえば、もう1週間も大介に会っていない。きっと寂しがっているはずだ。今日あたり、会いに行こうか。今日は・・、火曜日か。駄目だな、塾の日だ。仕方ない、明日まで我慢するか・・。
 
 その時点の僕は、明日もまたいつも通りの日常があることを全く疑いもしていなかった。


 朝、覚醒しきっていない頭でリビングに行くと、ちょうど出勤しようとしている親父に出くわした。
「お、亮輔、俺はもう行くぞ。朝メシはテーブルの上、昼メシは手前で調達すること。晩メシはァ・・今日も俺は遅くなるから、何か適当に買ってきて食え。以上!」
 そんな、朝の挨拶とも連絡事項とも言えないことを早口で言うと、自分はさっさと出かけていった。
「・・・・・」
 テーブルに目をやると、コンビニで買ってきたらしいサンドウィッチとおにぎりが置いてあった。
 手にとって見ると、どちらも賞味期限が今日の午前5時できれている。おそらく、昨日の夜、会社帰りに買ってきたものなのだろう。まあ、賞味期限なんていうものはあくまで目安なわけで、5時を過ぎたからといって5時1分にいきなり腐るということはありえない。腐り始めているというのなら、店頭に並んでいるときから既に腐敗は始まっているのだ。2時間やそこら過ぎたところで、問題はないだろう。
 そう考えて、僕はためらいもなくサンドウィッチのビニルを破った。タマゴとチーズのサンドウィッチだった。パンはやはり、少しパサついていてうまくはなかった。冷蔵庫から麦茶を出して注ぎ、飲みながらテレビをつけた。そして画面を見て、僕はあやうく右手に持ったグラスを落としそうになったのだった。
 朝の時間帯は、どのチャンネルも同じような報道バラエティ番組をやっているので、たまたまつけた時のニュースがそれだったということで、他のチャンネルを見ていたところで、いずれ同じニュースに出くわすことにはなっただろう。

 それは、ひとりの女子高生の死を伝えるものだった。
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テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

 
 
 
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この記事に対するコメント
 
 

連載2回目終了っすか。
読者に「おあずけ!」をするのが上手いですねえ。早く続きが読みたいです~センセイ~。
【2006/07/13 17:08】 URL | たけだしんいち #9JNxmLfc [ 編集]


読んでもらって、ありがとうございます!たけだ先輩!!面白い小説って・・簡単には書けないですねぇ・・・(当たり前やし!e-445)読み続けてもらえるように、がんばりまっす!
【2006/07/15 21:57】 URL | 藍生 #- [ 編集]

すごーい!!!すごいすごい!!!
これ、ぜんぶ藍が書いてるの???
めちゃくちゃ面白いやーーーん!!!!
藍、やっぱ天才だったんだなぁーーうんうん。
次回作も超楽しみにしてるわーロンドンで(笑)
【2006/07/16 00:28】 URL | MARI IN LONDON #- [ 編集]


遥かロンドンからありがと~e-266
ホンマに??面白い??こんなんでいい??e-330いや~ん、続きがんばるワ(笑)
か~なり、行き当たりばったりで書いてるから、いつまで続くか分からんけど、ロンドンで読んでねe-343
【2006/07/16 21:10】 URL | 藍生 #- [ 編集]

30代,40代で転職して国会議員
国会議員は、法律を作り、国民の生活を豊かにする http://gardant.catvtestchips.com/
【2008/12/01 19:17】 URL | アヲイ #- [ 編集]

 
 
 
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