本が好きで、作家になれたらいいなあ~とか思っている藍生(あをい)が、読んだ本についてや自作の小説について、だらだらと書き綴る日記です。 好きな本の趣味の合う方は、寄って行ってください!
 
 
 
 
 
 
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孤宿の人(上・下) / 宮部みゆき
 
 
【2006/05/13 21:30】
 
 

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宮部みゆきさんの、時代小説では一番新しいヤツです。(ってゆっても、去年の作品ですが)
宮部みゆきさんは、超有名人気作家だし、知らない人はほとんどいないでしょう☆確かに、どの作品も面白いし、ハズレがないです。
でも、個人的には、数ある宮部作品の中では、現代モノより時代モノの方が、私は好きです。「ぼんくら」&「日暮し」なんか、めっちゃ面白かったし♪

ただ、その感覚でいると、この「孤宿の人」はちょっと雰囲気が違っています。

このお話は、とっても悲しいお話なのです。

本当に、すっごい悲しいです。
ラストは泣けます。

主人公は、“ほう”という10歳くらいの女の子です。
ほうは、江戸の大店の若旦那が、女中に手を出して産ませてしまった、いわば望まれない子です。
殺されることはなかったものの、周りから死を望まれていた子でした。
母親が亡くなって、ひとりになってしまったほうは、店の事情で、四国の丸海藩というところへ連れて行かれ、そこで置き去りにされてしまいます。

けれど、そこで井上という匙(お医者さんですね)の家に助けられ、そこで下女として働くことになります。
井上家の人たち(大先生と若先生、若先生の妹の琴江さま)はみんなとってもいい人たちで、ほうに優しくしてくれます。

しかし、そんな時、突然に不幸が襲いかかります。

琴江さまが、何者かに毒を盛られて、殺されてしまうのです。


そもそも、この物語は、ミステリ的要素は多少あるものの、ミステリではありません。
琴江さま殺害の犯人も、すぐに知れます。

重要なのは、裏の主人公ともいえる、「加賀さま」なのです。

加賀様は、元は江戸の勘定奉行という高い地位にいた人だったのですが、妻とふたりの子供を毒殺し、部下を斬り殺したとして捕らえられ、丸海藩に流されることになったのです。

それだけの罪を犯して、なぜ、死罪にならなかったのか。

それは、妻や子供、忠義を尽くした部下たちを殺してしまうという、まさに鬼のような所業に、町の人たちも、幕府の人間も、上様までが、「加賀殿は鬼だ、怨霊だ」として、大変に恐れたからなのです。

死罪にしてしまえば、本当に手の届かない悪霊となってしまう。
それは恐ろしいから、とりあえずは生かしておいた方がいい、という考えからでした。

そこで、流刑の地として白羽の矢がたてられたのが、丸海藩だったのです。
丸海藩では、罪人とはいえ、元は幕府の要職にあった加賀殿の扱いに大変に苦労をします。
しかし、そんな苦労より、もっと大変なのが、「加賀殿は鬼であり、怨霊、もはや人ではないのだ」という評判でした。

丸海藩の人たちは、みんな加賀さまを恐れました。

加賀さまが丸海にやってくると決まってから、丸海藩の中で、何かが変わって行ってしまいます。

そして、次々に、恐ろしい、悲しい出来事が起こります。

琴江さまが殺された、ということもそのひとつ。
もちろん、犯人は加賀さまではありません。
けれど、加賀さまお預かりという大役を担っている状況の中で、犯人ははっきりしているのに、捕らえることができず、結果、それがその後の不幸な出来事へと繋がっていくのです。

もうひとり、重要なキャラが宇佐という引手見習いの少女です。
引手というのは、いわゆる岡っ引きのようなものです。
いつも明るく元気で、とても優しい、まっすぐな少女です。
縁あって、ほうともしばらくの間一緒に暮らし、本当の姉妹のように仲良くなります。

加賀さまが丸海に来て以降、様々な不幸がほうや宇佐の周りで起こります。
けれど、肝心の加賀さまは、実は物語の前半ではまだ登場しません。
後半、ほうが加賀さまが幽閉されている屋敷で働くことになって、はじめて登場します。

加賀さまは、ほうに字を教え、算盤を教え、ほうを下女としてではなく、ひとりの人間として扱ってくれます。
ほうの名前は、「阿呆」のほう、として名付けられたものでした。
けれど、加賀さまはほうに、新しい名前をくれたのです。
「宝」。
「阿呆」のほうではない、「宝」のほうだ、と、加賀さまは言ってくれたのです。
加賀さまは、噂にあるような、恐ろしい鬼ではなく、優しい心を持った立派な人だったのです。
江戸での事件にも、もちろん深い事情があったのです。

けれど、そんなことは全く分かりようがない町では、何か悪いことが起きれば、全てが加賀さまのせいにされ、人々みんなが恐怖に震えていたのです。
藩で毎年起こっている食あたりも、加賀さまがもたらした未知の病。
夏に必ず起こる雷も、加賀さまが呼んでいる。

人々はいつ終わるとも知れない恐怖の日々のなか、徐々にストレスが溜まっていってしまいます。
そしてついに、町で大乱闘が起こり、大火事が起こり、藩はめちゃめちゃな有様になってしまいます。

もちろん、最後にはうまくまとまるのですが、物語を通して、たくさんの人が死んでいきます。
そして、それはあまりにも悲しいことです。

最後には、宇佐も命を落とすことになります。
正直、ここが一番泣けました。

鬼と恐れられる人がやってきたせいで、人々の中の鬼が目を覚まして暴れた、そういう物語です。

とても悲しいし、やりきれないものはありますが、心に残る、とても良いお話だと思います。


めっちゃ長くなってしまった
機会があれば、読んでみてください。
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テーマ:オススメ本 - ジャンル:小説・文学

 
 
 
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この記事に対するコメント
 
 

最近新しい本が読みたいなぁって思ってた。
宮部みゆきはいいかも。前に1冊だけ読んだことがあったけど。
ちなみに、私も最近何か書こうかなぁなんて(^^;そんなに簡単に書けるはずもないし、
ミステリーとかそんなものは到底無理だけど、エッセイなら書けるかも・・・って(笑)
感じることも、考えることも、書くことも嫌いじゃないし。。。。なんて漠然と思ってしまった。
宮部みゆき、今度読んでみます☆
【2006/05/14 21:36】 URL | setsuko #- [ 編集]


うん♪読んでみてみて!オススメやで~!
なにか書きたい、っていう気持ちはわかるかも☆がんばって!・・って、私は最近は読んでばっかで全然書いてないわ・・(--; なかなか難しいよねえ・・e-263
【2006/05/15 19:02】 URL | 藍生 #- [ 編集]

現行司法試験
現行司法試験とは、2006年から法科大学院(ロースクール)修了者を対象に実施される新司法試験に対し、従来から行われている司法試験を指す場合の言い方 http://lackaday.stepuptechnologies.com/
【2008/12/10 19:12】 URL | アヲイ #- [ 編集]

 
 
 
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